平成元年、季節は秋。茨城県が水戸に美術館をオープンいたしました。そのオープニングに皇太子殿下がお見えになる事になりました。当時の予定表を見てみますと、10時19分に水戸駅にご到着され、10時30分に美術館にお見えになり、10時59分から11時1分までロダンの彫刻をご覧になり、という風に分刻みでのご予定となっておりました。11時37分にご見学終了となり11時40分から美術館内の食堂でご昼食となります。12時10分にお食事をお下げして、12時13分にお飲み物をお伺いし、12時37分に食事室をお出になり、特別応接室でお休みのあと、12時55分にご出発というスケジュールで、これを分刻みと呼ばずに何と呼ぶのかという、細やかな予定表でした。
それが、築地青木とどういう関係があるのかと申しますと、このご昼食の会席弁当をお作りしたのが私共です。何で東京からとほとんどの方がお思いでしょう。私共も最初は難しいとお断りしたのですが、とても私共のお弁当をお気に入りの方が関係者にいらして、強い推薦があり、私共も腹をくくった訳です。まずはお献立を何回かお出しして決定になり、事前に保健所に検査のために同じ物を提出し、当日は水戸まで2名出張しという一大事業でありました。
本社移転の際、この資料が出てまいりました。
そこで思いました。20年近い歳月が流れても、変わらぬ美味しさがあれば、そこに私共の歴史の一部があり、その中に和食の良さや変わらない事の素晴らしさも感じていただけると思います。
まさにこれが「食の感性なり。」再現いたしますので、ご利用いただければ幸です。